思い出の一枚カミと霊魂はどのような関係にあるのか。霊魂とカミの関係を推測させる信仰は中国少数民族のホジェン族の信仰である。上の写真である。この民族が信じる三つの霊魂のうち、人の生死に関わる第三の霊魂フィェヤークーを生み出したのはカミであるという。つまり、 ...
諏訪春雄通信「縄文新論」(6)
思い出の一枚 歌舞伎の竹抜五郎の隈取である。隈取は近世中期の江戸で成立した。源流は中国演劇の瞼譜である。臉譜は唐代に誕生し、宋・元・明演劇で完成 した。中国の地方劇の瞼譜役柄を色彩で表現する本質に両者の共通性があるが、相違も多い。隈取は同種役柄に共通して ...
諏訪春雄通信「縄文新論」(5)
思い出の一枚能「隅田川」の一場面である。子を失った母は狂乱に陥る。世阿弥が『風姿花伝』「物学条々」に指摘しているように、物狂いの能は「憑き物ゆえの狂い」と「思いゆえの狂い」に大別される。この指摘から、能の物狂いの原型は、遊行のシャーマン(男女の巫)の呪術芸 ...
諏訪春雄通信「縄文新論」(4)
思い出の一枚新潟県上越市前島記念館である。明治に始まる近代日本語の形成は、言文一致運動に始まった。その火つけとなったのが、慶応2年に行なった開成所翻訳方前島密の将軍徳川慶喜への建白「漢字御廃止之議」であった。幕末から明治にかけて、 漢文・和文を前近代の遺 ...
諏訪春雄通信「縄文新論」(3)
思い出の一枚2017年10月から2018年1月にかけて東京国立西洋美術館で開催された「北斎とジャポニスム」展のチラシである。19世紀後半、日本の美術が、西洋で新しい表現を求める芸術家たちを魅了し、ジャポニスムという現象が生まれた。なかでも天才浮世絵師・葛 ...