新しく「縄文新論」の連載を開始しました。これまで、縄文考古学者、古代史研究者などの誰もふれたことのない、まったく新しい縄文文化論です。

Ⅱ 原型としての台湾原住民文化
6 住居

ツオウ族集会所(『鄒族神話与伝説』) プユマ族若者集会所(『卑南族神話与伝説』)
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タイヤル族涼亭  タイヤル族の望楼(『達悟族神話与伝説』)。
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    以上の四棟の公共建築物は高床式木造二階建てで共通している。屋根の形式は
 
     方形 ツオウ族   入母屋 プユマ族  切妻 タイヤル族
 
と分類できる。ふつうに日本の屋根の基本形とされる四種が台湾原住民の住居にすべて揃っていることになる。 これを日本の建築様式の影響と考えることはできない。逆である。台湾原住民の住宅様式が日本列島に渡っていったのである。
    では、台湾原住民の住宅様式はどこに由来するのであろうか。彼らの故郷の大陸南部である。 以下、大陸南部、東南アジア、東アジアの代表的建築様式を紹介する。 
 タイ族の農作物倉庫  高床式入母屋造り
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中国貴州省トン族  高床式切妻造り
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四川省成都漢族住居 高床式切妻造り
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中国長江流域チワン族住居 高床式切妻造り 高床式方形造り
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雲南省イ族の村  切妻造り  雲南ハニ族の村 切妻造り 方形
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雲南省少数民族住居 高床式切妻造り  高床式入母屋造り
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インドの伝統住居  高床式切妻造り
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アッサムの伝統住居  竪穴式
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中国リー族の柱の上の会合所 高床式木造二階建て
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湖南省トン族集落 木造二階建て   切妻  入母屋  寄棟
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中国広西チワン族自治区トン族鼓楼と集落 方形 切妻造り 
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    鼓楼と並ぶトン族を代表する建築が花橋である。花橋は風雨橋ともいい、多くは川をまたいで建造された 。内部は憩いの場となっている。 方形 入母屋
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 日本、台湾原住民の四種の屋根の様式が、倭人、越人の社会にすべて揃っていることがあきらかである。
    縄文時代の日本列島の住居様式についての研究はあまり進んでいない。木造建築がのちにのこらないからである。
      代表的学説は、竪穴住居と掘立柱建物に二分するものであるが(『図解・日本の人類遺跡』)、肝心の掘立式については、「平地式または高床式の建物は初期に出現し、竪穴住居とセットになって集落を構成する」と、説明は簡略である。三内丸山遺跡などの復元された大型遺跡による判断である。
    現在、各地で復元されている主要な縄文遺跡を追いかけてみよう。
青森県三内丸山遺跡
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長野県阿久遺跡
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静岡県登呂遺跡
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鹿児島県上野原
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    これらの復元住居はいわゆる竪穴住居を主としてそこに、掘立住居を加えている。
竪穴住居のモデルの一つは、同じ縄文人と考えられているアイヌのチセである。
アイヌのチセ( 明治期の写真資料による)
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    以上のような復元住居に、台湾原住民住居、大陸の倭人・越人の住居を参照して判断すると、日本の縄文時代の住居は大きく次の二つに分かれることは確かである。

 竪穴形式
 堀立形式

 竪穴形式は主として、石壁、土壁であり、堀立形式は主として高床式木造であった。屋根の形は、両者ともに、前述の四種、方形(円形の庵形から方形寄棟に推移)、切妻、 入母屋、寄棟の四様式をすでに揃えていた。

                           (つづく)